(3)上山市の介護制度を充実させましょう
 
■上山市の高齢者の状況</font>(上山市高齢者福祉計画、第5期介護保険事業計画2012.3より)
・高齢者人口(H23)10,381人 65歳以上の高齢化率30.66% 65歳以上のうちねたきり98人 一人暮らし1,060人(県内最高の割合)
・要介護認定者1,996人(要支援1・2、要介護1が43.21%) 要介護認定者の60%以上が認知症の症状を有す
・特養待機者290人
 
■上山市の施設整備状況
@特養ホーム 2カ所180床(蓬仙園80 みずほの里100) …新増設の計画なし
A老人保健施設 1カ所100床(みゆきの丘) …新増設の計画なし
B療養型医療施設 廃止で0
<小規模特養(地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護)>
・H26年度1施設29人南部地区に新設予定
<グループホーム(認知症対応型共同生活介護)>
・3カ所63人(笑顔、みずほ、須田医院)
・H26に南部地区2ユニット18人の増員を計画
<有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)>
・2カ所56人(ただし1カ所は養護老人ホーム蔵王長寿園35人)
・北部地区に空き旅館を活用した100人規模の施設設置を計画
<小規模多機能型居宅介護>
・2カ所50人
・H26に1カ所25人設置計画
<24時間対応の定期巡回・随時対応型サービス>
なし
<小規模多機能型居宅介護と訪問看護を合わせた複合サービス>
なし
 
■市民の要望
 2011年3月に上山市が行った高齢者の実態把握アンケートでは介護をめぐる様々な切実な願いが示されており、その一つひとつに誠実に応えていくことが求められています。
 その主なものを列挙すると
・老老介護の大変さ
・すぐ入れる施設がない、特養の増床、低料金で入れる施設を 
・経済的に大変 
・介護保険料が高すぎる 
・介護従事者の待遇改善 
・制度の内容、手続きがわからない
・手続きを簡略化してほしい 
・高齢者の集合住宅を 
・温泉デイサービスの拡充 
・認知予防教室 
・施設見学や説明会 
・火災報知器の設置 
・家族介護にも支給を 
・平等な制度に
・灯油代が大変 
・介護予防の推進 
・都会から子どもが帰れるように 
・ヘルパー、デイサービスの充実で家族負担の軽減を 
・雪道対策 
・温水プールの設置 
・市内循環の交通網
・90日で退院を迫られる問題 
・地域包括支援センターの充実 
・福祉の人材育成 
・高齢者に仕事を 
・上山独自の行政プランを(廃業した旅館の集合住宅への活用など)  
・公民館活動の充実
 
■上山市で起きた介護悲劇
 2009年4月に上山市で発生した介護心中・殺人事件の背景には以下のようなことがありました。二度とこうした悲劇を起こさないことを主眼に、今後の介護改善をはかっていきたいと考えます。
@家族関係
・60年間周囲も認める仲のよい夫婦だった。
・夫が自宅で一人で妻を介護していたが、床ずれも作らない行き届いたものだった。
・夫も84歳と高齢で、妻より先に自分が病死するのではと不安を抱くようになった。
・長男夫婦、孫と同居していたが、家族にも病気、仕事の事情があった。
A経済状況
・介護費用、医療費は夫婦の年金から捻出していたが、年金だけでは足りず、少ない貯金を取り崩し ながら生活していた。
・施設に入れるには費用が足りない。
・4月から介護料金が上がると知ったことを契機に、心中を決意した。
B介護の困難性
・寝たきり、認知症の妻を一人で介護していた(福祉施設のデイサービスを利用していた)。
・「証人の公判供述からもうかがわれるとおり、いわゆる老老介護や施設が十分にあるとまでは言い難いところもあるから、被告人が経済的な不安から行政に助けを求める気持ちにならなかったことも理解できる」(判決文)
 
■介護改善に向けた試案
1)特養など介護施設を早急に整備すべきです。
・特養待機者が290人、寝たきり高齢者が98人、要介護者の認定者の60%が認知症の症状を有している現状から見て、早急に施設整備をはかる必要があります。
・低所得者でも入れる施設を整備すべきです。空き家を利用した施設整備は今後の方向性を示すものだと考えます。ただし、国は施設入所から介護サービス切り離し、外注化して劣悪な居住施設を想定する動きもあります。そうならないよう、市として対策をとっておく必要があります。
・原則的に特養入所者は要介護3以上に限定されます。要介護1・2の方たちへの対応を急ぐ必要があります。
 
2)一人暮らし高齢者対策を強化すべきです。
・一人暮らし高齢者が多い市町村では孤立死が多いという調査結果も出ています。訪問系のサービスを充実させるとともに、見守りや緊急通報システムの整備をはかるべきです。
*現在、上山市には民生児童委員や家族から見守りの要望があった場合、委託で週1回もしくは2回、安否の確認や生活環境の変化を報告してもらう事業があります。また要援護者支援システム(H24年3月導入)として災害時に安全な場所へ避難するときなどに支援を要する人々の情報を管理し、緊急時には地図上に要援護者の自宅等が表示できるシステムもあります。
 
3)保険料・利用料の権限措置を講じるべきです。
・経済的な問題で必要なサービスが受けられないという事例が多く見受けられます。
・上山市の65歳以上の方の介護保険料は、所得に応じて10段階に区分され、より低所得者の負担が軽減されるよう配慮されています。しかし、基準(第6段階)が「本人が市民税非課税の方で合計所得金額と課税年金収入が80万円以上」ということで、もう少し所得のある人を基準(月4,670 円、年56,040円)にすべきだと考えます。
・1割の利用料負担も重く、民医連で行った調査では利用料支払いは月1万円が限界という結果も出ています。利用料の減免制度が必要です。
 
<尾花沢市の居宅介護サービス利用者負担額の減免(単独事業)>
1)対象者=市民税非課税世帯で、かつ、介護保険料を滞納していない方。該当する方には、あらかじめ認定証を交付)
2)対象サービス=次の在宅サービスを利用した方
・(介護予防)訪問介護〔ホームヘルプサービス〕  
・(介護予防)訪問入浴介護 
・(介護予防)訪問リハビリ  
・(介護予防)居宅療養管理指導 
・(介護予防)訪問看護  
・(介護予防)通所介護〔デイサービス〕
・(介護予防)通所リハビリ〔デイケア〕  
・(介護予防)福祉用具貸与 
・ 短期入所生活介護〔ショートステイ〕
・ 短期入所療養介護〔ショートステイ〕
3)助成の割合=利用者負担額の 2分の1 (10%負担した場合、5%分を助成します。)
  高額介護サービス費を適用した後の負担額に対し、上記の割合で助成します
 
<特別養護老人ホームの利用料>
○みずほの里の例(HPより)
・要介護5、基準費用額対象者の方(食費・居住費込み)
  他床室…81,500円(月)
  従来型個室…104,940円(月)
  ユニット型個室…130,170円(月)
<b><ショートステイ利用料金>
・基準費用額の方、2日間利用、送迎あり
 他床室5,794円(月)
 従来型個室7,316円(月)
 
4)要支援1・2の方への対応を早急に整備すべきです。
 要支援1・2の方はこれまでの介護保険サービスから上山市が実施主体となる地域支援サービスに原則移行することになります。
 これまでのサービス水準が低下しないよう、サービス内容を確保し、また一般財源を繰り入れることも必要になります。

5)認知症対策を強化すべきです。
 最近、認知症(特にアルツハイマー型)が増加している要因として、糖尿病以前の耐糖能障害が大きく影響していることがいわれています。
 つまり、生活習慣病と認知症が密接に関連していることが明らかになるなかで、生活習慣病予防とリンクさせて認知症予防対策を講じることが求められています。
 上山市で取り組んでいるクアオルトなども認知症予防に有効と考えます。